キハ65 515 → キハ65 1712 → キハ65 1612



1971年6月14日日本車輌製の6次車で、昭和45年度第2次債務で長野運転所へ配置された。同一ロット515〜518全車が長野へ配置されている。長野へは急行「きそ」「ちくま」「越後」の幹線急行の冷房化のため投入された。これら急行は中央西線の電化後も引き続き気動車で残り、架線下気動車急行で暫く活躍したが、「53-10改正」でこれらが全て電車化されることになり、当車は1978年10月4日付けで岡山気動車区へ転属した。岡山では「伯耆」「砂丘」の強馬力化のため投入された。その後は1982年7月に伯備線が電化され急行「伯耆」が廃止されると、主に急行「砂丘」「みささ・みまさか」で使用される。その後は「61-11改正」で需給の関係から同じく急行「砂丘」を担当する鳥取へ転出し、そのままJR西日本へ継承された。JR化後は引き続き急行「砂丘」をメインに活躍したが、当時鳥取ではキハ65が飽和していたことに加え、JR四国からもキハ65を購入し鳥取へ配置されたことから当車は波動用車両の種車として活用されることになり、1989年12月12日付で「エーデル丹後」系統の増結車「シュプール&リゾート」へ改造され、「キハ65 1712」へ改番され、向日町へ配置された。改造当初は電車との併結機能が準備工事とされ「700番台」となっていたが、1年経たずして1990年9月3日付で電車併結対応改造が施され、「キハ65 1612」へ改番された。その後は主に臨時列車・波動用で長く活躍したが、老朽化のため2010年10月15日付で廃車となった。

前面は、助手席側の窓が展望を考慮した大型窓へ変更されている。それに伴い貫通扉の窓も大型化されている。正面窓上の通風口はエーデルシリーズでは珍しく残存している。ワイパーは強化型のWP50へ更新されており、それに伴い正面窓下手すりが短くなっているのは関西地区の標準であるが、キハ65でこれを施工した車両は少なかった。「シュプール&リゾート」改造時にヘッドライト周りとジャンパ栓・連結器等が改造されている。タイフォンは500番台特有のシャッター式となっており、0番台が種車の「1611」とは容易に区別が出来る。
側面では、前位側の乗降扉が埋められている。また、客室窓がサイズはそのまま固定窓化されている。後位側は大型荷物置き場とされたので、側窓2枚分が埋められている。改造により、側面の客室用強制換気口が移設されている。
屋根上は、換気扇が2箇所追設されている。
床下機器は、便所増設されていないので、概ね種車のままである。台車は、北陸本線で電車と併結し高速運転を行うことから、後年のキハ181系と同様、軸箱支持方式がリンク式からペデスタル式へ変更されている。


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