キロ28 110 → キハ28 5010



キロ28の量産先行冷房車。

1963年7月30日帝国車両製の5-2次車で、昭和38年度民有債で高松運転所に新製配置された。同一ロットは当車のみである。当車は前ロットで製造された109と同様、AU12形クーラーを使用し直ちに冷房化できるような準備工事を施して製造された。そして新製後間もなくAU12を用いて冷房化され、四国全域の急行で使用された。しかしAU12を使用した冷房化は能力の不足が見られ、以降はAU13が開発されAU12を使用した冷房車は109と110のみとなった。そして1971年までに当車もAU13にクーラーが換装されている。その後も一貫して四国の急行グリーン車として活躍し、キハ65が増備された1970年代後半には、当車を飛び越して前後へ冷房電源を給電できるよう、冷房用ジャンパ線の追設が行われた。1980年11月より四国内の営業施策の変更が行われ急行グリーン車は普通車指定席に格下げされることとなり、1980年11月1日付で「キハ28 5010」へ改番された。以降引き続き四国全域の急行で使用されたが、若番車への冷房電源の4VK化は施工されず、他区から捻出された状態の良い車両により置き換えることとなり、当車は1985年4月20日付で廃車となった。

側面は、おおむね原形であるが、4DQ-11P発電セットが搭載された際にこれの吸気口が2-4位側へ設けられている。汚物処理装置が取り付けられているので便所側面に点検蓋が設けられている。
屋根上はクーラーがAU13に換装されている。当車はAU12用の冷房準備車であったため、屋根高さが非冷房車と同じというグループである。また当車は新製時に設けられていたクーラー脇の蛍光灯用通風器が後年撤去されている。
床下では、後位側に4DQ-11P冷房電源セットが搭載されているが、他区に見られる保護板は設けられていない。水タンクはモデルチェンジ車に準じたFRP製のものに交換されている。また便所には汚物処理装置が設けられている。


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