キロ28 2511 → キロ29 554



最期まで営業車両として残った急行型グリーン車の末裔。

1969年4月12日新潟鐵工製の第8-5次車で、昭和43年度第4次債務で新潟運転所へ配置された。同一ロット2508〜2512のうち、2510〜2512が新潟へ配置された。新潟では急行「赤倉」の指定席車冷房化のために新製投入され、当車の落成を待って新潟のキハ58の一部が冷房化された。これは急行「赤倉」の運行ルートに急勾配が多く、キハ28を編成に組み込むことなく普通車の冷房化を行うため、4VK発電セットを搭載したキロ28が早期から必要であったためである。以降急行「赤倉」専属車両として活躍し、急行「赤倉」の廃止された「57-11改正」で余剰となり、1982年11月28日付で兄弟揃って福知山へ転出した。福知山ではそれまで配置されていた初期車に代わり急行「丹後」「丹波」等で活躍し、「61-11改正」で福知山線の電化により急行「丹波」が廃止された後も後期車であることから引き続き残留し、そのままJR西日本へ継承された。JR化後も福知山配置で急行「丹後」に使用されたが、1996年3月改正の山陰本線電化により急行「丹後」が廃止されると余剰となった。しかし当車は老朽が進んでいた「ゴールデンエクスプレス アストル」中間車の代替として使用されることになり、同列車が延命工事を施工された際に「アストル」に改造され、「キロ29 554」に改番された。これに伴い従来の「キロ29 552」は入れ替わりで廃車となっている。以降団体用・波動用で活躍したが、改造後約10年経過した2006年には老朽化で運行停止し、2007年3月18日付で廃車となった。

側面は、2連下降窓が固定式の大型窓へそのまま改造されている。一部の窓は内装に併せサイズが変更されている。また前任の「キロ29 552」同様前後共に乗降扉が撤去され、国鉄〜JRの営業車両としては珍しいドアのない車両となっている。便所は残置されているが、窓は全て埋められている。
屋根上はほぼ原形のままであるが、換気扇が2基増設されている。また、雨どいの縦樋が埋め込み式から外妻へ移設されており、12系客車のような形態となっている。
床下もほぼ原形のままであるが、便所側に汚物処理装置が取り付けられている。また床下機器は台車を含め全て灰色で塗装されている。


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