インドネシア鉄道の超簡単な概略


 インドネシアの鉄道は、もとはインドネシア国鉄(PJKA)による運営であったが、現在は政府が100%株式を持つインドネシア鉄道会社(PT.KA)がその運営にあたっている。今でも田舎に行くと鉄道のことを「PJKA(国鉄)」と呼ぶ人が多い。

 インドネシアの鉄道は、首都のあるジャワ島をはじめ、マドゥラ島、スラウェシ島、スマトラ島に敷設されたが、現存しているのはジャワ島とスマトラ島のみである。

 インドネシア鉄道は軌間1067mmの狭軌で日本と同じであり、日本からの輸出車両も多い。

 ジャワ島の鉄道は、支線を中心に廃止が進み、現在はジャカルタからスラバヤを結ぶ北幹線と南幹線、バンドゥン線を中心に、いくつかの支線が存在する。(下図)インドネシアでは日本のような「〜線」という呼称は存在しないため、路線名はあくまで筆者が勝手につけたものである。

 ジャワ島の中でもジャカルタ近郊は「JABOTABEK(ジャボタベック)」と呼ばれ、日本の円借款事業により整備・複線化・電化された路線を主に日本製の中古電車が運行されている。このジャカルタ近郊区間は、各メディアや情報誌においても
最近紹介される機会が多いので、詳細は割愛させていただく。(ただ単に筆者がジャカルタ無知なだけという話もある・・・)

 スマトラ島の鉄道は、北部のメダン地区と中部のパダン地区、南部の南スマトラ地区の3か所に分かれており、それぞれ独立した路線となっており繋がっていない。

 メダン地区の鉄道は、北はアチェ州のバンダアチェまで、南はランタウプラパットまでといくつかの支線があったが、アチェまでの路線は廃止されており、現在はメダン〜ランタウプラパット間と、トバ湖最寄りのシアンタールまでの支線等が残っている。昼間のみ1日数往復の旅客列車と、石油列車、さとうきび列車、パーム椰子オイル列車等が走っている。

 パダン地区は、スマトラ島唯一の西海岸部鉄道で、海岸線から急峻な山脈が連なるため急勾配が多く、特殊なラックレールを使用した運行がなされていたが現在では廃止されている。パダン近郊のセメント工場からの貨物列車と、パダン郊外の海岸部パリアマンまでを走るリゾート列車のみが運行されている模様である。

 南スマトラ地区は、南スマトラ州とランプン州、一部ブンクル州にわたって運行されており、石炭輸送がメインとなっている。旅客列車は1日2往復程度と少ない。
 

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