2007年11月14日 初めてのKereta Api乗車


当初乗る予定だったのはKotabumiからランプン州都のTanjungkarangまでの区間列車。Kotabumi始発915Tanjungkarang終着1130)だがどうせ遅れるだろうとたかをくくり、余裕をぶちかまして7時半に家を出る。一応舗装道路なのだがどうしてこんなに穴が開くのだろうという悲惨な道を揺られること2時間弱、予定通りちょうど915分頃に駅に到着。駅には列車はいない。「おーやはりまだ来ていないか。やっぱりスマトラだのぅ」と余裕をかまして改札に行くと「ちょうど今出発したばかりだ」とのこと・・・。「何でスマトラの列車が時間通りに出発するんだーしかもどっちかというとちょっとフライングじゃないか!」と怒りに満ちたがもうどうしようもない。

このままこの駅にいてもしょうがないし、車でランプンまで行っても面白くないので、予定を変更しランプン(Tanjungkarang)発パレンバン(KertaPati)行きの長距離列車に乗り、途中のBaturajaまで行くことにした。こいつはKotabumi1030Baturaja1400なのでBaturajaに着いて遅い昼飯を食って散髪し、買い物して帰るというプランに変更。Kotabumi駅でまず切符を買うことにした。ここで驚愕の事実に直面! 運賃表を見るとどこまで乗っても12,000ルピア(150円)ではないか! 総延長400キロ近い路線で均一150という話は聞いたことがない! うーん、すばらしい。とりあえず目的地のBaturajaまでの切符を買い、列車到着の1030まで茶でも飲んで待つことにした。


(↑南スマトラの切符 硬券です)

が、予定の1030になったがやはり列車は来ない。「さっきのやつは時間通りに行ってしまったのに何で!?」と再び怒りに燃えつつも我慢して待つ。11時頃に駅の腕木信号がバタンと動き、汽笛が聞こえてきたので客がぞろぞろと線路近くにたむろし始める。しかし来たのはババランジャン(Batubara Rangkaian Panjang:長編成の石炭列車)。「何だよフェイントかよ!っていうかいつ来るんだ!?」と思いつつ再び茶店に戻る。やっと1130頃になって駅のアナウンスが入り、まもなく到着とのこと。駅は物売りや乗客・見物人でごった返し始めたので、そこら辺の物売りのおっさんに「俺の席を確保しろ」と頼みチップを渡す。程なく列車が到着。原型白塗装のCC201-135Rの逆位が先頭だーう〜んかっこいい!


CC201-135R うーんかっこいい Martapura駅)

ホームは無く高床式ステップ無しのため、よじ登るように客車に乗り込む。車内は非常に混雑しているが、例の物売りのおっさんが、3人掛けの椅子に一人で寝そべっているババアをたたき起こし私の席を無事確保。椅子にありつくことができた。乗ったのは1965年製のK3-65701。ボックスシートであるが2+3列で近鉄あおぞら号や国鉄155系電車のよう。椅子は木でいちおうクッションが付いておりそこら辺のベンチよりまし。クーラーはもちろん無し。扇風機もなくなっているので非常に暑い。


(↑車内)

しかし走り出すと窓から風が入り非常に快適。景色はほとんど人工のプランテーションとはいえ見渡す限りの緑の世界。人工物はほとんど無いある意味絶景の中をとことこ走る。予想通り沿線にはよさそうな丘や切通しがたくさんあり、撮影にはもってこい!!しかしどうやってそこへ行くんだ?? という疑問を残しながら淡々と進む。

ガイドブックやや他のホームページなどでは「間違ってもエコノミーは利用しないように」と注意書きが付くほど噂のインドネシア国鉄であるが、既にスマトラ人化して7ヶ月を経過した私にとってはいたって普通。車内にはたくさんの物売りが乗っていて騒然としているが、車販がひっきりなしに来ると考えれば、なんと便利なシステムであろうか。また揺れはスピードがあまり出ないせいか思ったより快適である。窓を全開にして大自然の空気を吸っていれば何ともすばらしい汽車旅である。

途中の駅ではババランジャン(長い石炭列車)を待ちつ待たせつのんびりと行く。手にはダイヤグラムを持っているがダイヤとはまったく関係の無いスジで淡々と交換し進んでゆく。


(↑途中駅での交換待ち Giham駅)

目的地には1400に着く予定であるが出発の時点で1時間遅れており、途中のMartapura駅にも1時間半遅れの1500頃到着する。さあ目的地まであと30km。ラストスパートと思いきや、列車は一向に出発する気配が無い。車内の客は別に何事も無かったかのようにただボーっと出発を待っている。すると駅到着30分後にこんなアナウンスが。「すんませんが、先行のババランジャン(石炭列車)がひっくり返ったのでいつ出発するか分かりません!!!」 周りの客は「あーあ、またか」というような顔をして列車を降り、駅にたむろしているOjek(原ちゃりタクシー)やうさんくさいバスに乗り込んで去ってゆく。車掌も「こうなるとだいたい6時間くらいかかるな」とか話している。「おーい、またかじゃねぇだろ! 脱線だぞ脱線!! 日本だったら新聞のトップ記事になるぞ!!!」と思いつつ列車を降りる。私のドライバーは先に目的駅Baturajaで待っているのでこのMartapuraまで戻って来いと電話で伝える。結局、目的地のBaturajaに車で着いたのは1730・・・。遅い昼飯を食べる予定が、既に夜ではないか!!と思いつつ、まあ晩飯だと思えばいいかと諦め、繁華街へ入ってゆく。するとここでも大問題が!!街中全部停電しているではないか!!! これでは飯も食えないし散髪にも行けないではないか!!! 結局そのまま家へ帰ったのでした。ちゃんちゃん。

 ということで、もしスマトラ旅行を考えている人がいるなら、覚悟して来てください。


撮影日:2007年11月14日


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